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菊正宗酒造の紹介


菊正宗ブランド

「土地の料理には、土地のお酒を」の言葉通り、食とお酒は互いをより楽しむために磨き合いながら食文化を築き上げてきました。

濃い味つけの炒めものが多い中華料理には、強い香りの立つ紹興酒を。フランス料理でも、濃厚なソースと共に供される肉料理にはタンニンの多いコクのある赤ワイン、柑橘系やハーブ系の香辛料を使った魚介料理には、果物のような酸味の白ワインが好相性です。

さて日本酒の場合、甘口のお酒は、お酒自体の甘みが後味にも残り、料理によっては邪魔をすることがあります。これに対し、クセがなく、飲み飽きしない淡麗辛口は、後味に甘みが残らず、料理の味を損なうことがないばかりか、逆に料理が欲しくなるお酒と言えます。

菊正宗がめざすのは、まさにこの「料理と調和し、料理を求める」本流辛口。そば、刺身、寿司など、自然そのままの素材を味わう繊細な日本料理の持ち味を絶妙に引き立て、濃厚な一品では口中を洗い流してさっぱりと。菊正宗が、和洋中のジャンルを問わず、食中酒として愛される理由が、ここにあります。

 

歴史と背景

樽酒の船送

当時、まだ決して大きな銘醸地ではなかった灘がその名を轟かせるようになったのは、18世紀末、江戸送りのいわゆる「下り酒」(クダラナイという言葉の語源)の人気が高まったことから。中でも造った酒のほとんどを“下り酒”にしていた本嘉納家の酒は、最高品質の酒として江戸っ子にこよなく愛されました。

良質な酒米と宮水という、六甲山系の自然の恵みを丹波杜氏の職人技で醸した辛口を携え、地の利を生かして港から遠くは松前(北海道)にまで取引に出かけたという本嘉納家。伊丹、池田といった先達を凌駕し、新興の酒造蔵としての名声を確かなものにして行きます。ちなみに、嘉納の姓については、約600年前、御影沢の井の水で酒を造り、これを後醍醐天皇に献上したところ、ご嘉納になったので嘉納の姓を賜ったとのいい伝えがあります。

※『嘉納』とは、「ほめ喜んで受け取ること」という意味です。
 

本嘉納家は文化・文政(1804年~1829年)の数十年で石高を約3倍に増やし、幕府の御用商人とも言える立場を確立して隆盛を極めます。明治19年(1886年)には「菊正宗」ブランドを商標登録。海外への積極的な輸出や宮内省御用達拝命など、のちの発展の基盤がこの頃固められました。また、明治22年(1889年)には本嘉納家8代目秋香翁が「どうしても良い酒を造る」の信念でドイツから顕微鏡を購入し、西洋の学問を身に付けた技術者を招聘。断熱効果を高めたレンガの酒蔵やビン詰め工場など、最新鋭の設備投資で業界に先駆けた技術改善を敢行。「近代醸造」への足がかりを築きました。秋香翁は、私立灘高建学の祖(設立代表者) としても尽力しました。

昭和20年、阪神間をおそった爆撃によって菊正宗も大部分の蔵を焼失。わずか3蔵から復興を遂げました。昭和24年に業界新聞が行った6大都市での世論調査では、「売りたい酒」「品質のよい酒」で、菊正宗はいずれも3都市でトップ、総合でもトップの座を得ました。1988年には、業界で初めて主力商品の全てを本醸造化するなど、品質本位の姿勢を貫いてきました。

また「♪やっぱり俺は~キクマサムネ~」で一躍有名になった昭和50年のテレビCFは、優秀なCFに贈られる広告賞を受賞。続く「旨いものを見ると、辛口のキクマサがほしくなる」編CFでは、食と日本酒の融合を提案するなど、日本酒の新たなポジションを切り拓き、魅力を発信し続けてきました。



菊正宗ができるまで

酒製造プロセス

酒作りはお米を育てるところから始まると言われていますが、実はお米はお酒の風味に大きな影響を与えます。

菊正宗は、山田錦の醸造米のみを最も基本的な原料として古くから使用してきました。これは、並外れた品質への頑固な献身の結果です。山田錦は、通常の米よりも粒度が大きく、タンパク質含有量が少なく、酵母が米に浸透しやすい柔らかな粘稠度が特徴の酒米の一種です。さらに、この品種の薄い膜は、吸収と消化が容易であるが、製粉プロセス中にその膜がむきにくいため、酒米としての使用に最適です。

菊正宗の杜氏

菊正宗の神髄である本流辛口。すっきりと力強い味わいは、神秘の水「宮水」なくして醸すことはできません。花崗岩質でできた六甲山系に源を発する伏流水の中でも、西宮のわずか数百メートル四方にだけ湧き出る地下水は、ひときわ酒造りに適した水質を持つため、「宮水」と呼び慣わされ、大切に扱われてきました。この宮水地帯に、菊正宗は他社をはるかに凌ぐ15本の井戸を管理。阪神・淡路大震災の際には2ヶ月にわたって水が止まった近辺の住民の方々に広く開放されました。

酒造りによい水とは、濁りや汚れが無く、飲んでおいしいことはもちろん、お酒の色や味を損なう鉄分が極めて少ないことが重要です。宮水は鉄分をほとんど含まず、一方でカルシウム、カリウム、マグネシウム、リンなどが豊富。このミネラル分こそが、酵母菌をはじめ様々な微生物の栄養となって、健全に力強く発酵させ、硬水仕込み特有のスッキリした辛口のお酒を造り出すのです。

冷酒

「飲み飽きせず、料理を引き立てる日本酒こそ本流である」。

菊正宗が辛口にこだわるのは、それが料理をおいしく味わうための食中酒に最適だから。

日本が誇る豊かな食文化を支える役割を担うと共に、寿司など日本食ブームにのって今や世界中から注目を集めている日本酒。菊正宗は、雑味がなくスッキリとした味わいと、キレのあるのどごしがどんな料理にも合う、理想の本流辛口を追求し続けます。
 

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