Shipping Cost €7 / £7, Free shipping on orders over €150 / £150.

蒲酒造の紹介


酒蔵

樺酒造は、飛騨で300年以上にわたって地酒を造ってきた老舗の酒蔵です。飛騨の豊富な水に恵まれ、厳しい気候の中で育まれた酒米「ひだほまれ」が、飛騨の豊かな地酒の秘訣です。代表的なブランド「白真弓」は、「枕詞」に由来し、飛騨を誇らしげに確立した飛騨酒として飾られています。

また、本館などは国の有形文化財に指定されており、瀬戸川沿いの白壁の倉庫である文庫倉庫は、飛騨古川を象徴する景観の一翼を担っています。
 

創業当時の時代背景

ふくよかで味わいの深い酒として、地元の皆様をはじめ全国の酒好きの方々から親しまれる「白真弓」。数々の品評会で賞もいただき、今や飛騨古川を代表する酒としてその名を知られています。

この白真弓の蔵元である私ども蒲酒造場が長きにわたって良酒造りに勤しんでこられるのは、初代・登安が懸命に築き上げた基盤と、代々の当主たちのたゆまない努力によるもの以外の何物でもありません。
 

宝永元年(1704)に創業

時をさかのぼること約300年前の宝永元年(1704)、登安はこの飛騨古川で商いを始めました。当時は第5代将軍徳川綱吉が世を治め、徳を重んずる文治政治や、生き物を大切にする生類憐みの令を発令するなど、新しい社会規範を生み出して理想の世の中を創り上げようとしていた時代です。登安も世の流れに逆らうことなく、順調に商売を広げてきました。

 

登安が残した財と基盤をもとに酒造りが始まる

昭和3年頃。10代当主と蔵人
 

この話を聞いた奉行が登安の志に感動し、「登安一代に限って越中国との交易の自由を許す」と申し渡したといいます。そのおかげで登安の商売は繁栄し、財を築くことができたのです。

登安が残したこれらの財と基盤をもとに、その後酒造りが始まり、白真弓が誕生しました。

 

白真弓の名の由来

白真弓の名の由来は、万葉集の「しらまゆみ 斐太の細江のすが鳥の妹に恋れか いをねかねつる」(巻代十二)の中にある「ひだ」の枕詞に由来し、また飛騨には檀(まゆみ)の木が自生していることから白真弓と名付けられたのではないかと伝えられています。

蒲酒造場の顔となる酒、白真弓が作られて以降、私どもは代々にわたって連綿と酒造りを行ってきました。またこれら酒造りの伝統を守り続けるだけではなく、自分を犠牲にしてでも米を送ろうとした登安の精神を受け継ぎ、「利は貪るべからず頂くべし」を家訓として地域のためにも尽力し続けております。

家訓:利は貪るべからず頂くべし

社会や地域に貢献していくことは、酒造り同様私ども蒲酒造場の大切な使命でもあります。そのことをしっかりと胸に刻んで、より皆様に愛される蒲酒造場となり、銘酒・白真弓を作り続けていきたいと思っております。



 


蒲酒造のお酒ができるまで


お米ひだほまれ

飛騨の酒造好適米「ひだほまれ」

みな様は、「ひだほまれ」という米をご存じでしょうか?

ひだほまれは、「飛騨の酒に合う米を作りたい」という酒造関係者や農家の人々の願いから、飛騨古川にある高冷地農業試験場で約10年という歳月をかけて開発された酒造好適米です。

昭和40年代後半に市場に出回り始めて以降、品質向上のためにいくたびも改良や試行錯誤が重ねられ、今や飛騨を代表する酒米となりました。

私どもは常日頃から「飛騨の人の口に合う、喜ばれる酒を造りたい」という一心で酒造りを行っておりますので、白真弓には、麹米や仕込み米にこのひだほまれを使用しています。

飛騨を代表する酒米といっても「ひだほまれ」を知らない方はとても多いと思います。「ひだほまれ」は、全国にあるさまざまな酒造好適米の生産量のうち全体のわずか1%。また、有名な「山田錦」の知名度と比べるとまだまだ知られていません。それもそのはず、「ひだほまれ」を生産している地域は岐阜県飛騨地方のみで、「ひだほまれ」を使って酒造りができる蔵元は岐阜県の蔵元だけなのです。

米の中心にはでんぷん質があり、その周りを脂質やタンパク質が覆っています。脂質やタンパク質が多いと酒の雑味が増えるため、酒造りでは米の精白が行われます。

「ひだほまれ」は、この酒造りに必要なでんぷん質が大きく、精白歩合が60%と少なくても充分うま味のある酒ができ上がります。また麹作りを工夫することで、さらに軽やかな酒にも仕上がります。

これらひだほまれの性質は、まさに「うま味のある酒造り」をめざす私ども蒲酒造場のコンセプトにぴったり。ひだほまれに出会った瞬間、「この米を使ってよりおいしい酒を作ろう」と思ったことを昨日のように思い出します。

酒米の王様と呼ばれる山田錦が洗練された京美人ならば、「ひだほまれ」は、まだまだ庶民的な町娘。

しかし、日々酒造りを行う中で「手を入れれば入れるほど個性が際立ち、うま味のある酒になる」と実感しています。そしてそのひだほまれの個性をさらに引き出してくれるのが、北アルプスの清らかな水です。

 

日本アルプスの水

アルプスの水

飛騨に住む人々は、この山並みに守られ、癒され、また勇気づけられながら毎日を過ごしています。そしてその美しい北アルプスから湧き出づる、清らかな水。白真弓はこれら北アルプスの清冽な伏流水を仕込み水に使用しています。

北アルプスの水は軟水です。今をさかのぼること27年前、当酒造の藤井杜氏は初めてこの水を口にした時、「この水ならいい酒造りができる」と直感しました。

富山や新潟のような硬水はサラリとした辛口の酒になり、また水が甘すぎても雑味のある酒になりやすいもの。

軟水で、すっきりとした味わいのこの水なら、麹を作り込んで味を多くのせても、雑味の少ないうまい酒に仕上がります。

他の地酒と飲み比べてみると、なるほど、白真弓の酒造りには適していると今さらながら実感しています。

北アルプス

コクとうま味があってキレがある白真弓の酒造りには欠かせない、北アルプスの水。こうした自然の恵みを享受できる、この飛騨古川の気候もやはり酒造りには重要な役割を果たしているのです。

 

飛騨の気候

冬の飛騨

一面に可憐な花々が咲き誇る華やかな春、新緑が目に眩しい爽やかな夏、黄金色に実る稲穂が風に揺れる美しい秋、そして真綿色の雪に包まれる静かな冬。一年を通して豊かな表情を見せてくれる飛騨の四季は、いい酒造りに欠かせない最上の条件が整っています。

特に真冬は、酒造りの本番。蒲酒造場では先祖代々、明治時代から使われ続けている白壁土蔵の中で酒を仕込みます。外が氷点下の気温でも、土蔵の中は外気温より高く、7〜8℃とほぼ一定。

この変化の少ない温度が麹作りや酒の仕込みにとっては重要で、特に白真弓の酒造りには最適な温度なのです。           

飛騨の象徴的な倉庫

小さな頃から土蔵がそばにあり、土蔵を利用した酒造りを見てきた私たちにとってはごく自然なことなのですが、他の地域と比べてみると、あらためてこうした環境にも恵まれていることに気づかされます。

自然がもたらす気候と水、上質な酒米、そして先人たちのすばらしい知恵がここにあることは、何物にも代え難い私ども蒲酒造の宝。これらの恵みを大切にしながら、私どもはこれからも味わい深くうま味のある酒、白真弓を作り続けていきます。
 

Please wait…